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SUSアルミ共生建築Competition

セミナーレポート

セミナーレポート

8月19日(木)、東京六本木のアクシスギャラリーでSUSアルミ共生建築セミナーが開催され、SUSアルミ共生建築Competition’10の審査員である安田幸一(建築家・東京工業大学教授)、橋本克也(須賀川市長)、飯嶋俊比古(建築構造家・飯島建築事務所代表)の3氏にご講演いただきました。

橋本克也 須賀川市長東山小学校の再生に期待すること

橋本克也 須賀川市長

現在、地方都市が抱える最大の問題は少子高齢化です。須賀川市全体で見れば減少の割合は小さいものの、山間部では深刻な問題となっています。

東山地区も、かつては東山小学校を中心に少人数を生かした独自のコミュニティを形成していました。地域全体で子どもを見守る、よい環境がありました。東山小学校の運動会に以前参加したことがありますが、地域行事として活力があり、大変感動したことを覚えています。それだけに廃校になった今も、地域住民の学校に対する思い入れには強いものがありました。

セミナー風景1ですから、その校舎を研修施設として利用したいという提案をいただいたときは大変ありがたいお話であると感じました。企業と地域が交流することで互いに刺激し合い、必要とするものが得られたらと考えています。新たな箱物をつくる余裕のない現在、今ある箱=建築をどう使うかは全国どの都市にも共通する問題です。廃校を研修施設へリニューアルするという今回の試みが、全国のモデルケースとなるよう期待しています。(抜粋)

安田幸一 東京工業大学教授攻めのリニューアルの時代へ

安田幸一 東京工業大学教授

以前、私は廃校の再利用の仕方として「老学校」を提案したことがあります。老人ホームやコミュニティセンターであると行きにくい人も、小学校や中学校と同じように毎日通う場所であれば抵抗はなくなるはずです。

小学校と隣接していれば、子どもとの交流もできます。しかし、山間部の廃校を老学校にリニューアルするのは、難しいかもしれません。その点、東山小学校の場合、1企業が研修施設として利用したいと考え、行政もそれを許可しました。このような幸運なプロジェクトはあまり前例がないのではないでしょうか。

セミナー風景2社会学的に見ても今後のよい課題になるのではないかと考えています。改修というと制約が多くてつまらないと思う人がいるのかもしれません。しかし、お金が無尽蔵にあって、どこに建ててもよいと言われても創作はできません。建築の設計とは、制約を自分でつくり、自らに選択を強いるものです。その意味でも改修であり、アルミを使うということがよい制約になるのではないかと思います。(抜粋)

飯嶋俊比古 飯島建築事務所代表アルミ形材の接合

飯嶋俊比古 飯島建築事務所代表

アルミ建築で重要なことは分解と構成だと考えています。分解、つまり部品化、部材化したアルミを構成することでアルミ建築はできるからです。その構成の際に重要なのが接合です。鉄であれば溶接という便利な方法がありますが、アルミ建築の場合、溶接すると強度が落ちてしまいますので溶接以外の接合方法を選択しなくてはなりません。

ブラインドリベット、タッピンネジ、ボルト(T溝)、リベット、高力ボルト、嵌め合いといった方法がそれですが、どの接合方法を選択するかで部品、部材の形状も変わってきますので、常に接合方法を考えながら部材・部品の設計をしなくてはなりません。押出であれば相当に精度の高い断面形状を設計できますので、断面をデザインすることがアルミ建築設計のおもしろさであるともいえます。

セミナー風景3ただ、理解していただきたいことは、今回説明した接合方法がすべて建築基準法に適合しているわけではないということです。基準法に抵触する部分としない部分をわきまえて設計してください。(抜粋)

セミナー質疑・応答

セミナーの最後に設けられた質疑・応答では、会場よりさまざまな質問が寄せられました。
「アルミの魅力を端的にいうとどういったことですか」、「アルミの耐食性や経年変化について教えてください」といった素材としてのアルミに関する質問のほか、「SUSにはSFやGFといったフレームがありますが、応募案にはこれらのフレームを使わなければいけないのでしょうか」、「SUSにはtsubomiやallen、ラチスパネルといった商品がありますが、これを今回の応募案に使っても構いませんか」といった弊社の取り組みに関する質問も寄せられました。

また、「須賀川市のアイデンティティとは何でしょう」といった質問に対して橋本・須賀川市長から「特に明確なアイデンティティがあるわけではありませんが、自分たちが住む地域に対してとても強い愛着、誇りをもっていることが特色かもしれません」という返答があったことが印象的でした。

セミナー風景4